台南には豊かな文化資産があり、府城(台南市の中心部)の古跡は台南市における重要な事業となっています。文化局では、古跡運営の収入によって「台南市文化建設発展基金」を設立。自給自足、サステナブル経営という目的を果たすために基金を運用して古跡の修復、維持、運営を行っています。
本市の古跡観光スポット運営には、以下が含まれます。本市運営の観光スポット及び外部委託の観光スポット
一、本市運営の観光スポット:赤崁楼、安平古堡、安平樹屋および旧徳記洋行、億載金城、1661台湾船園区、台南山上花園水道博物館、延平郡王祠、安平蚵灰窯、五妃廟などの観光スポット
二、外部委託の観光スポット:旧林百貨(ハヤシ百貨店)、旧台南県知事官邸、仁徳糖廠(製糖工場)、徳陽艦、旧鶯料理、旧徳商東興洋行、旧台湾総督府専売局台南支局など28か所の観光スポット
ウェブサイト:https://historic.tainan.gov.tw/
1661台湾船園区
台湾船は、台湾海洋史の専門家、造船史の学者、造船職人らが集結し、長崎県の松浦史料博物館に保存されている1706年の『唐船之図』図巻にある「台湾船」を基に、異なる木材による船体の主な構造、各材料の特性に従って伝統的な工法でそれぞれの船体の部位を複製したもので、本体は鄭成功の古船1/1スケールで復元されています。なお、台湾初となる大型古船の複製でもあります。
1661台湾船園区では、「時代の大潮∣台湾船」をテーマに、デジタル映像も取り入れた複合素材による「船、鯨、船室、影、マスト」の5つの空間が造り出されています。メインの「船」のほか、「鯨」のクジラの背骨ドーム、「船室」のタイムカプセル、「影」の時代の記憶ライトアップ、「マスト」の戯船ステージなどを4大テーマとし、夜間には、オランダ統治時代から現代までの安平の海上交通と都市の栄華をプロジェクションによって表現。時空の入り口に置かれた台湾船が、時代の移り変わりを描き出しながら、時を運ぶ船となります。
「屋外博物館」をコンセプトとした運営で、17世紀の台湾海峡における両岸間の航海のイメージを表現し、海洋文化の促進、台南の文化史を伝えています。また、失われつつある船舶の修復技術の保存という面においても、文化教育と技術の再現という深い意義が含まれています。
所在地:台南市安平区安億路139号
ウェブサイト:http://taiwanwarship.tainan.gov.tw/
旧正月の古跡イベント
毎年旧正月の時期になると、本市で必見の代表的な古跡観光スポットである赤崁楼や安平古堡、安平樹屋、1661台湾船園区、億載金城などは多くの観光客が訪れて大盛況となります。本局では、祝日に合わせて「旧正月の古跡」イベントを企画しています。「旧正月の古跡デコレーション」では春聯、五福紙、赤提灯など伝統的な新年の飾り物を用いて飾りつけを行います。観光客は古跡を訪れて旧正月の雰囲気を感じながら、伝統的な台湾の新年に思いを馳せることができます。
旧正月に古跡を訪れたら、定期的に開催される詳細なガイド付き無料ツアーサービスをお見逃しなく。毎日の定時刻、ベテランの解説スタッフが詳細な古跡巡りにお連れします。また、毎年さまざまなテーマでパフォーマンスが企画されており、旧正月期間中には、台南の古跡での「走春(正月に歩けばあるくほど福が来るという台湾の風習)」が観光客を魅了します。
延平郡王祠の「新春水仙花展」での花鑑賞もお見逃しなく。文化と楽しみを兼ね備えた旧正月の祭日を楽しむことができます。新年のお祝いムードが盛り上がり、お正月の雰囲気をより深く感じることができます。
鄭成功文化祭典イベント
鄭成功は、台南を中心に台湾を国際舞台に押し上げ、東アジアの海洋文化と結びつけた歴史的な重要人物です。西洋で地理上の発見が広がる大航海時代に多くのヨーロッパ人と遭遇するなか、大らかな態度でさまざまな文化を受け入れる精神は、まさに学ぶべきお手本であります。
延平郡王の信仰、現地の伝統文化、都市の交流、マーケティングを促進するため、1959年に台南市文献会の考証により鄭成功の台湾上陸日は1661年4月29日と定められ、1963年に行政院により「鄭成功の祭日は4月29日とし、今後は内政部部長が代表を務め、その厳かさを示していく」ことが定められました。毎年4月29日には、本市の延平郡王祠において「明延平王鄭成功」台湾開拓周年中枢祭典が開催され、内政部部長が主祭官を務め、台南市長および金門県長が副祭官を務めます。これまで長年にわたり鄭成功の子孫や親戚、中国、日本、東南アジアなどからの団体が祭典に出席しています。
台南市には、政府や民間が慎重に保護している延平郡王祠、鄭成功祖廟など鄭成功にまつわる史跡が数多くあり、観光客が歴史に思いを馳せることができる人気の観光スポットとなっています。
赤崁魁星祭
旧暦の七夕は五文昌の一人「魁星」の誕生日で、「魁星」は「魁星爺」とも呼ばれています。「大魁星君」は学問、文運、試験を司る神であり、魁星祭祀は清の時代に台湾に伝わったとされています。その信仰の代表がまさに赤崁楼文昌閣に祀られている魁星です。
「赤崁魁星祭」は、台南市政府文化局により赤崁楼文昌閣の魁星文化を普及するために開催されます。古礼に則って数百名の学生を祭典に招待するほか、魁星に関する歴史、文化などさまざまなテーマで展示が行われるため、参観者は文昌のご利益を願うだけでなく、魁星に関する故事や信仰の文化を深く理解できます。
「赤崁魁星祭」が開催されてからは各界で好評を博し、合格祈願を願う多くの学生が競って参拝に訪れ、線香の煙が一年中途切れることがありません。その評判が遠方まで伝わる、台南市の重要な年間祭典となっています。
朱玖瑩書道コンクール
朱玖瑩先生は台湾の書道芸術を伝える重要な教育者でした。最も優れていたのが顔真卿の楷書で、1988年には「国家文芸奨-書道教育特別貢献奨」を受賞。晩年は長らく台南安平に居住しました。旧居は旧台塩宿舍で、現在の「安平樹屋」のそばにあります。その後、台南市政府により2008年、旧居は先生の貢献を記念する記念館に改装されました。
朱玖瑩先生は書道教育に人生を捧げました。朱玖瑩先生による書道芸術の促進と伝統文化の発揚を記念し、その意志を引き継いで台湾の書道芸術のすばらしさを広めるため、文化局では2012年から「紀念朱玖瑩(朱玖瑩記念)全国書道コンクール」を開催しています。
書道コンクールはこれまでに8回開催され、書道に興味がある人々が自由に申し込むよう推奨され、全国から熱烈な反響を得ています。コンクール受賞者の作品は朱玖瑩紀念館で展示され、朱玖瑩先生から伝え継いだ書道芸術が旧居にて光を浴びて台湾の書道芸術と教育が末永く引き継がれていきます。